保育士 過去問
令和4年(2022年)後期
問10 (保育原理 問10)
問題文
【事例】
軽度な発達の遅れがあるTちゃん(4歳、女児)は、3歳の頃から絵本を見たり積み木で遊ぶなど、一人で静かに過ごすことが多く、クラスの活動では楽しそうな様子があまり見られなかった。4歳児クラスになると、PちゃんがTちゃんのことを気にし、なにかと世話をするようになった。しばらくしてPちゃんが「~して」「~してはだめ」とTちゃんに指示することが多くなり、Tちゃんの表情がくもる場面も見られるようになった。ある日、クラスの友達が砂場で遊んでいるところに、Pちゃんに連れられたTちゃんも来て、一緒に遊び始めた。しばらくすると、「いや」とTちゃんにしてはめずらしい大きな声が聞こえ、砂場から一人離れる姿が見られた。担当保育士がPちゃんに「どうしたの?」と聞くと、「Tちゃんが私の言うことを聞いてくれない」と不満そうに話し始めた。
【設問】
担当保育士の今後の対応として、「保育所保育指針」第1章「総則」に照らし、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A Tちゃんのこれまでの発達過程をよりよく理解するために、保護者からTちゃんの家庭での生活や遊びの様子を聞き取る。
B Tちゃんのことをどのように感じているかをPちゃんに聞き、Tちゃんの気持ちや思いにPちゃんが気付けるように援助する。
C PちゃんはTちゃんにとってかけがえのない存在であり、TちゃんからPちゃんに謝るように言い聞かせる。
D Tちゃんから思いや願いを聞き取り、状況に応じてTちゃんとクラスの友達との関わりを仲立ちする。
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問題
保育士試験 令和4年(2022年)後期 問10(保育原理 問10) (訂正依頼・報告はこちら)
【事例】
軽度な発達の遅れがあるTちゃん(4歳、女児)は、3歳の頃から絵本を見たり積み木で遊ぶなど、一人で静かに過ごすことが多く、クラスの活動では楽しそうな様子があまり見られなかった。4歳児クラスになると、PちゃんがTちゃんのことを気にし、なにかと世話をするようになった。しばらくしてPちゃんが「~して」「~してはだめ」とTちゃんに指示することが多くなり、Tちゃんの表情がくもる場面も見られるようになった。ある日、クラスの友達が砂場で遊んでいるところに、Pちゃんに連れられたTちゃんも来て、一緒に遊び始めた。しばらくすると、「いや」とTちゃんにしてはめずらしい大きな声が聞こえ、砂場から一人離れる姿が見られた。担当保育士がPちゃんに「どうしたの?」と聞くと、「Tちゃんが私の言うことを聞いてくれない」と不満そうに話し始めた。
【設問】
担当保育士の今後の対応として、「保育所保育指針」第1章「総則」に照らし、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A Tちゃんのこれまでの発達過程をよりよく理解するために、保護者からTちゃんの家庭での生活や遊びの様子を聞き取る。
B Tちゃんのことをどのように感じているかをPちゃんに聞き、Tちゃんの気持ちや思いにPちゃんが気付けるように援助する。
C PちゃんはTちゃんにとってかけがえのない存在であり、TちゃんからPちゃんに謝るように言い聞かせる。
D Tちゃんから思いや願いを聞き取り、状況に応じてTちゃんとクラスの友達との関わりを仲立ちする。
- A:○ B:○ C:○ D:×
- A:○ B:○ C:× D:○
- A:○ B:× C:× D:×
- A:× B:× C:○ D:○
- A:× B:× C:× D:○
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この過去問の解説 (3件)
01
A Tちゃんのこれまでの発達過程をよりよく理解するために、保護者からTちゃんの家庭での生活や遊びの様子を聞き取る。
→〇です。
一人一人の子どもの状況や家庭、地域社会での生活の実態を把握することで、
子どもがより安心して過ごせるような配慮が必要です。
B Tちゃんのことをどのように感じているかをPちゃんに聞き、Tちゃんの気持ちや思いにPちゃんが気付けるように援助する。
→〇です。
子ども相互の関係づくりや互いに尊重する心を大切にします。
この場合、PちゃんはTちゃんの思いを知ることなく、
Pちゃん自身の気持ちを表現するのみになってしまっています。
Tちゃん自身は相手に自分の気持ちを表現することが難しいかもしれないと推測すると、
PちゃんにTちゃんの気持ちに気付ける援助が必要になってきます。
C PちゃんはTちゃんにとってかけがえのない存在であり、TちゃんからPちゃんに謝るように言い聞かせる。
→×です。
子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、
子どもが主体的な活動や人間関係をつくることが大切です。
保育者が一方的に「かけがえのない存在」だとしてTちゃんとPちゃんの関係を作ろうとすることは不適切です。
保育者は互いの気持ちを知るための援助を行うまでとし、
そこからどうしていくかはPちゃんとTちゃんそれぞれの思いを尊重することが大切です。
D Tちゃんから思いや願いを聞き取り、状況に応じてTちゃんとクラスの友達との関わりを仲立ちする。
→〇です。
個々の発達について理解し、一人一人の発達過程に応じて保育することが大切です。
Tちゃん自身は自分の思いを表現したり相手に伝えたりすることに課題があるかもしれないと推測すると、
Tちゃんの思いを相手に伝える援助をしたりすることで、
Tちゃんの人間関係の構築に保育者の仲立ちがあることは適切だと言えます。
よって、
A:○ B:○ C:× D:○
となる選択肢が正解です。
不適切です。
適切です。
不適切です。
不適切です。
不適切です。
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02
「保育所保育指針」第1章「総則」は、保育所保育が幼児教育の重要な一翼を担っていること等も踏まえ、「4.幼児教育を行う施設として共有すべき事項」を定めるなど保育所保育の基本となる考え方について記載されています。
C、Dが間違いです。
Cについて、「TちゃんからPちゃんに謝るように言い聞かせる。」部分が不適切です。
TちゃんとPちゃん双方の気持ちを聞く事が最優先であり、保育者の勝手な思いから謝らせる事は絶対にあってはなりません。
正しい組み合わせです。
発達の遅れがある児の対応は、担任保育士だけでなく、園全体で共有し、検討し続けることが必要です。
B、Dが間違いです。
Dについて、記述の通りなので○が答えです。
Tちゃんの思いや願いを聞き取ることは適切です。その上で、Tちゃんが上手く伝えられない場合や状況の時は、保育者が仲立ちとなったり、フォローしてりする細やかな対応が必要です。
A、B、Cが間違いです。
Bについては、記述の通りなので○が答えです。
Pちゃんの気持ちを尊重しつつ、Tちゃんの気持ちにPちゃん自らが気づけるような言葉かけや対応をすることが大切です。
A、Bが間違いです。
Aについて、Tちゃんの事を理解するために保護者からTちゃんの家庭での生活や遊びの様子を聞き取ることはとても有効です。
家庭と保育所が連携をとり、Tちゃんについての理解を深めればより幅広い対応や配慮ができるようになります。
4歳児クラスになると友達関係が広がり、関わりが増えますが、関わりが上手くいかない事や気持ちを上手く伝えられない事なども増えていきます。
その際、保育者がすぐに解決してしまうのではなく、子供同士がお互いの気持ちや思いに気づけるような声かけや対応を意識しましょう。
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03
特別な配慮を必要とする子に対する問題です。
A → 〇
適切です。
保育指針第1章では、子どもの発達を捉える際に「一人一人の発達過程」を重視しています。Tちゃんのような発達に遅れがある子の場合、園での姿だけでなく家庭での姿を把握することで、「何に安心し、何を嫌がるのか」という個別の気持ちをより深く理解できます。
B → 〇
適切です。
4歳児は、少しずつ「他者の視点」に気付き始める時期です。Pちゃんの「お世話をしたい」という意欲自体は肯定しつつも、それが支配にならないよう、保育士が対話を通じて相手の気持ちを想像することを援助します。
C → ×
不適切です。
「Pちゃんはかけがえのない存在だから、Tちゃんが謝るべき」というのは、望ましくない対応です。たとえ善意であっても、相手を支配しようとする行為(Pちゃんの指示)に対して「いや」と言えたTちゃんの自己主張は、発達上の大きな一歩です。それを否定して謝罪を強要することは、Tちゃんの自己肯定感を著しく損なうことになります。
D → 〇
適切です。
Tちゃんの「いや」という声は、内面の表出です。保育士はそれを代弁したり環境を調整したりすることで、Tちゃんが集団の中で自分らしく過ごせるよう仲立ちをします。これは、子ども同士が直接関わることが難しい段階において、保育士が間に入ることで関係性を作り直す援助と言えるでしょう。
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