保育士 過去問
令和7年(2025年)前期
問100 (保育の心理学 問20)

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問題

保育士試験 令和7年(2025年)前期 問100(保育の心理学 問20) (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
F君(5歳、男児)は、家庭では年齢相応の会話をしているが、保育所ではクラスの子どもや保育士等の誰とも話さない。G担当保育士やクラスの子どもが話しかけると相手をじっと見ているだけで、一言も言葉を発しない。保育士やクラスの子どもの問いかけに対して、頷いたり首を横に振ったりして反応する。
G担当保育士は、発達の専門家のアドバイスを受けた上で、F君に無理に話さなくてもよいことを伝えて、環境調整をして対応することにした。

【設問】
次のうち、F君の主な精神医学的問題として、適切なものを1つ選びなさい。
  • 分離不安症
  • パニック症
  • 小児期発症流暢症(吃音)
  • 選択性緘黙
  • 自閉スペクトラム症

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では、いくつかの重要な精神医学的問題について、特徴を押さえておくことが求められています。

5歳のFくんの「一言も言葉を発しない」や「頷いたり首を横に振ったりして反応する」から解いていきましょう。

選択肢1. 分離不安症

分離不安症は、愛着をもっているひと(父親もありえます)から離れることを、病的なまでに嫌がる状態です。

選択肢2. パニック症

パニック症は、多くは理由がはっきりしないなか、突然、不安や恐怖によって、動悸やめまいなどが起こります。

「また突然パニックが起こるのではないか」という不安から、行動が制限されてしまうこともあります。

選択肢3. 小児期発症流暢症(吃音)

小児期発症流暢症(吃音)は、ことばの始めがつまったり(「たたたたた......」)、延びたり(「だーーから」)、スムーズに単語が出てこない状態を指します。

選択肢4. 選択性緘黙

適切です。

選択性緘黙(場面緘黙ともいいます)では、特定の場所(学校など)によって話せなくなる症状がでます。

家などでは話すことができます。また、ことばの遅れは見られません。

選択肢5. 自閉スペクトラム症

自閉スペクトラム症のおもな特徴は、人とのコミュニケーションが苦手だったり、こだわりが強かったりすることです。

 

まとめ

子どもの精神的な症状について、代表的なものは覚えておくのがよいでしょう。

保育者としてどのように関わっていくのか、現場で考えていくのも大切です。

参考になった数64

02

発達障害や病気の特徴など、精神医学の基礎を学んでおきましょう。

選択肢1. 分離不安症

不適切です。

*愛着関係にある養育者から離れるときに、大きな恐怖や強い不安を抱き、激しく嫌がることです。

選択肢2. パニック症

不適切です。

*体に病気などの異常はないが、突然息苦しさや、動機などが繰り返し起こることです。

選択肢3. 小児期発症流暢症(吃音)

不適切です。

*吃音(どもり)のことで、「あああ」などスムーズに言葉が出ないことです。

選択肢4. 選択性緘黙

適切です。

*場面緘黙と言われたこともあり、特定の人や場所では話すことが困難ですが、安心できる家庭などでは普通に話すことができます。

 

以上のことからこの選択肢は正答です。

選択肢5. 自閉スペクトラム症

不適切です。

*コミュニケーションを取ることが困難で、独自のこだわりや感覚の敏感さに、特徴が表われることがあります。

まとめ

特性をもつ子どもには、その特性に応じた関わりが必要になります。

参考になった数21

03

子どもの行動や言語の特徴から、発達や精神面の問題を見極めることは保育において重要です。特に、家庭と保育所などの集団生活で行動が大きく異なる場合は、どのような精神医学的問題が関係しているのかを考える必要があります。ここでは、F君の事例をもとに判断していきます。

選択肢1. 分離不安症

分離不安症は、主に保護者や特定の養育者から離れることへの強い不安が特徴です。F君の事例では、家庭では年齢相応に会話ができており、保育所で話さないことが問題の中心なので、分離不安症とは異なります。

選択肢2. パニック症

パニック症は、突然の強い不安や動悸、呼吸困難などのパニック発作を繰り返す障害です。F君のケースでは、身体症状や突然の発作は見られず、静かに相手を見ているだけであるため当てはまりません。

選択肢3. 小児期発症流暢症(吃音)

小児期発症流暢症は、話すときに言葉がつっかえる、繰り返すといった流暢性の問題が中心です。F君の事例では、家庭では普通に会話できており、保育所で話さないのは流暢性の問題ではないので、この選択肢も適しません。

選択肢4. 選択性緘黙

選択性緘黙は、特定の場面や集団で話すことができない障害です。F君は家庭では普通に話せる一方、保育所では話さず、頷きや首振りで反応している点が典型的です。また、無理に話させず環境を整える対応が行われていることも、選択性緘黙の支援として適切です。

選択肢5. 自閉スペクトラム症

F君の主な問題は、家庭では普通に話せるのに保育所など特定の場面で話さない点にあります。このように状況に応じて言葉が出ない状態は、選択性緘黙の典型的な特徴です。分離不安症や自閉スペクトラム症、吃音とは異なり、身体症状や言語の流暢性の問題は伴わないため、環境に応じた対応と支援が重要となります。

まとめ

F君は家庭では話せるのに、保育所など特定の場面で話さないことが問題です。これは選択性緘黙の典型で、分離不安症や自閉スペクトラム症、吃音とは異なり、身体症状や発話能力の問題はありません。無理に話させず成功体験を重ね、家庭と園が連携して焦らず支援することが大切です。

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