保育士 過去問
令和7年(2025年)後期
問38 (社会的養護 問8)

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問題

保育士試験 令和7年(2025年)後期 問38(社会的養護 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、「親子関係再構築のための支援体制強化に関するガイドライン」(令和5年12月こども家庭庁)に関する記述として、適切なものを3つ選びなさい。
  • こどもにとって不適切な親子関係、養育環境から物理的に分離することで、こどもの自尊感情や自己肯定感を高めることが容易になる。
  • 親自身も自らの生育歴や家族関係の中でさまざまな課題や問題、葛藤等を抱えている場合があり、親自身への支援も必要である。
  • 親子関係再構築支援の実施にあたっては、こどもの意見・意向を丁寧に確認しながら進めていくことが必要である。
  • 児童相談所内の研修体系として、外部講師を招いて研修を月に1回以上開催することが義務付けられている。
  • 必要な支援をこどもと親との双方に行うとともに、きょうだい等の家族・親族や地域等を含めて総合的なサポートをすることが支援者・支援機関に求められている。

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この過去問の解説 (3件)

01

親子関係再構築の支援では、子どもの健全な成長を促すために、子どもだけでなく親や家族全体への支援が重要です。「親子関係再構築のための支援体制強化に関するガイドライン」(令和5年12月こども家庭庁)では、子どもの意見尊重や親への支援、家族・地域を含めた総合的サポートの必要性が示されています。

選択肢1. こどもにとって不適切な親子関係、養育環境から物理的に分離することで、こどもの自尊感情や自己肯定感を高めることが容易になる。

×
分離は場合によって必要ですが、子どもの自尊感情や自己肯定感の向上は必ずしも容易になるわけではなく、慎重な支援と環境調整が求められます。

選択肢2. 親自身も自らの生育歴や家族関係の中でさまざまな課題や問題、葛藤等を抱えている場合があり、親自身への支援も必要である。


親自身が抱える課題や心理的負担を理解し、支援することは、親子関係の改善や再構築のために不可欠です。

選択肢3. 親子関係再構築支援の実施にあたっては、こどもの意見・意向を丁寧に確認しながら進めていくことが必要である。


子どもの意見や意向を尊重することは、支援の効果を高め、子ども主体の関係改善を促すために重要です。

選択肢4. 児童相談所内の研修体系として、外部講師を招いて研修を月に1回以上開催することが義務付けられている。

×
研修は推奨されますが、外部講師を招いて月1回以上開催することが義務付けられているわけではありません。施設ごとの裁量となります。

選択肢5. 必要な支援をこどもと親との双方に行うとともに、きょうだい等の家族・親族や地域等を含めて総合的なサポートをすることが支援者・支援機関に求められている。


子どもと親への支援に加え、家族や地域を巻き込んだ総合的な支援が求められる点がガイドラインの重要なポイントです。

まとめ

親子関係再構築支援では、子どもの意見を尊重しつつ、親自身への支援も行うことが不可欠です。さらに、きょうだいや家族、地域を含めた総合的なサポートを提供することで、より効果的な親子関係改善が期待できます。一方、分離が自動的に子どもを守るわけではなく、研修の回数などの義務化はされていないことを押さえておくと試験でも正確に判断できます。

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02

「親子関係再構築のための支援体制強化に関するガイドライン」は、虐待等の理由で親から分離された子どもが家庭に安全に復帰できるよう、その支援内容について具体的に書かれています。

以下は 「親子関係再構築支援の意義」の項目の記述です。

 

こどもにとって不適切な親子関係、養育環境から物理的に分離するだけでは、こどもの自尊感情 や自己肯定感を高めることは難しく、特に家庭からの分離を経験したこどもの中には、自分のせいで家庭に居られなくなったと自らの存在や価値を自己否定することで、親から見捨てられたという不安を取り除こうとする場合がある。

(中略)

こどもは親子関係再構築の主体であり、親子関係再構築支援の実施に当たっては、こどもの意見・意向を丁寧に確認しながら進めていくことが必要である。 

(中略)

また、親自身も自らの生育歴や家族関係の中でさまざまな課題や問題、葛藤等を抱えており、その中でうまく養育ができずに、結果として虐待をはじめとする親子関係に問題が生じている場合があり、親自身への支援も必要である。

(中略)

つまり、親子関係再構築支援は、こどもの将来に大きく影響を及ぼす大切な支援であり、そのために必要な支援をこどもと親との双方に行うとともに、きょうだい等の家族・親族や地域等を含めて総合的なサポートをすることが児童相談所や市区町村をはじめとする支援者・支援機関に求められている。


 

選択肢1. こどもにとって不適切な親子関係、養育環境から物理的に分離することで、こどもの自尊感情や自己肯定感を高めることが容易になる。

誤りです。

選択肢2. 親自身も自らの生育歴や家族関係の中でさまざまな課題や問題、葛藤等を抱えている場合があり、親自身への支援も必要である。

正解です。

選択肢3. 親子関係再構築支援の実施にあたっては、こどもの意見・意向を丁寧に確認しながら進めていくことが必要である。

正解です。

選択肢4. 児童相談所内の研修体系として、外部講師を招いて研修を月に1回以上開催することが義務付けられている。

誤りです。

このような義務はありません。

選択肢5. 必要な支援をこどもと親との双方に行うとともに、きょうだい等の家族・親族や地域等を含めて総合的なサポートをすることが支援者・支援機関に求められている。

正解です。

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03

こども家庭庁が策定した「親子関係再構築のための支援体制強化に関するガイドライン」における、親と子双方への多角的なアプローチ、子どもの意向確認、家族・地域を含めた支援の考え方を問う問題です。

単純化した考え方や、「義務」という強い表現の引っかけが含まれます。

選択肢1. こどもにとって不適切な親子関係、養育環境から物理的に分離することで、こどもの自尊感情や自己肯定感を高めることが容易になる。

不適切な養育環境からの分離は必要な場合がありますが、分離すれば自尊感情が容易に高まるわけではありません

分離後も継続的な専門的支援が必要であり、「容易になる」という表現は実態を大きく単純化しています。

選択肢2. 親自身も自らの生育歴や家族関係の中でさまざまな課題や問題、葛藤等を抱えている場合があり、親自身への支援も必要である。

親子関係の問題の背景には、親自身の生育歴・トラウマ・家族関係の問題がある場合が多くあります。

子どもだけでなく親への支援も不可欠という視点は適切です。

選択肢3. 親子関係再構築支援の実施にあたっては、こどもの意見・意向を丁寧に確認しながら進めていくことが必要である。

こどもの意見表明権(児童の権利条約第12条)の観点からも、支援の過程でこどもの声を丁寧に聴くことは重要な原則として明記されています。

選択肢4. 児童相談所内の研修体系として、外部講師を招いて研修を月に1回以上開催することが義務付けられている。

職員のスキルアップや研修体制の充実は重要視されていますが、ガイドラインで「外部講師を招いた研修を月に1回以上開催することが義務付けられている」といった具体的な頻度の法的義務規定はありません。誤りです。

選択肢5. 必要な支援をこどもと親との双方に行うとともに、きょうだい等の家族・親族や地域等を含めて総合的なサポートをすることが支援者・支援機関に求められている。

親子関係の再構築は二者間の問題ではなく、家族全体・地域を含めた包括的な支援が必要という考え方は適切です。

まとめ

親子関係の再構築支援では、「親を責めるのではなく親自身も支える」「子どもの気持ちを最優先に聴く」「家族や地域全体を巻き込んで支える」という3つの温かい視点がベースになっています。

支援の根本にある理念を意識して解きましょう。

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