保育士 過去問
令和7年(2025年)前期
問81 (保育の心理学 問1)

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問題

保育士試験 令和7年(2025年)前期 問81(保育の心理学 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、発達的変化の研究法に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

人の発達を理解するために、様々な方法が用いられる。
観察法は、観察した行動を自由に記述したり、特定の行動をチェックしてその出現頻度を集計したりするなどして、発達の状態を理解しようとするものである。中でも、観察者が対象者と接することなく観察するものを( A )観察という。
実験法は、研究者が研究上の仮説に基づき、対象者に特定の状況や課題を与え、その反応を測定するものである。その際、反応に影響する可能性のある余計な刺激である( B )を極力減らす必要がある。他にも、調査法や面接法などがある。
これらの方法を用いて、発達的変化の過程を明らかにしていく研究で、特定の個人や集団を繰り返し測定するものを( C )という。その中でも単に年齢による発達的変化だけでなく、どのような時代に育った世代かということを考慮する研究方法を( D )という。

【語群】
ア 非参与  イ 横断研究  ウ 剰余変数
エ 縦断研究  オ 参与  カ 独立変数
キ  コホート研究  ク ナラティブ研究
  • A:ア  B:ウ  C:イ  D:ク
  • A:ア  B:ウ  C:エ  D:キ
  • A:ア  B:カ  C:エ  D:キ
  • A:オ  B:ウ  C:イ  D:ク
  • A:オ  B:カ  C:エ  D:ク

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この過去問の解説 (2件)

01

研究の方法に関する問題です。

選択肢2. A:ア  B:ウ  C:エ  D:キ

正解です。

 

観察法は、観察した行動を自由に記述したり、特定の行動をチェックしてその出現頻度を集計したりするなどして、発達の状態を理解しようとするものである。中でも、観察者が対象者と接することなく観察するものを( A:ア 非参与 )観察という。

実験法は、研究者が研究上の仮説に基づき、対象者に特定の状況や課題を与え、その反応を測定するものである。その際、反応に影響する可能性のある余計な刺激である( B:ウ 剰余変数 )を極力減らす必要がある。他にも、調査法や面接法などがある。

これらの方法を用いて、発達的変化の過程を明らかにしていく研究で、特定の個人や集団を繰り返し測定するものを( C:エ 縦断研究 )という。その中でも単に年齢による発達的変化だけでなく、どのような時代に育った世代かということを考慮する研究方法を( D:キ コホート研究 )という。

 

それぞれ解説します。

参与観察と非参与観察

参与観察:観察者が、活動に参加しながら観察します。対象者との距離が近いため、子どもの発言など詳細なデータを得られます。観察者の行動によって、対象へ影響を与えてしまう可能性があります。

非参与観察:観察者が、対象者と接することなく観察します。対象者の自然な行動を観察できますが、詳細な情報は得にくいです。

 

実験の3つの変数

独立変数:研究者が操作する変数(原因)です。

従属変数:測定される変数(結果)です。

剰余変数:結果に影響する可能性のある、余計な変数です。

 

縦断研究と横断研究

縦断研究:同じ対象を長期間追跡し、変化をみます。同じ子どもの3歳児と5歳児を比較するなどが考えられます。

横断研究:ある一時点で、異なる特徴を持つ集団のデータを収集し比較する研究です。

 

コホート研究とナラティブ研究

コホート研究:同じ時期に生まれた集団、同じ歴史を共有する世代を追跡する研究です。たとえば、1990年生まれと2015年生まれ、それぞれにスマホをどのように使っているか聞くと、違う結果が得られそうです。

ナラティブ研究:個人の語りを通して、その人の経験を理解しようとする研究です。例えば、ある人が自分の病気と向き合い、乗り越えるまでの語りを聞いて調査する研究などがあります。

まとめ

研究の方法を知ると、ただ子どものことを「見る」のではなく、知識をもって専門的に「観る」ことができます。

また、利用者(子ども)の変化を観るのも保育職の役割です。

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02

心理学ではさまざまな研究法があります。それぞれの特徴を確認しておきましょう。

選択肢2. A:ア  B:ウ  C:エ  D:キ

人の発達を理解するために、様々な方法が用いられる。
観察法は、観察した行動を自由に記述したり、特定の行動をチェックしてその出現頻度を集計したりするなどして、発達の状態を理解しようとするものである。中でも、観察者が対象者と接することなく観察するものを( 非参与 )観察という。
実験法は、研究者が研究上の仮説に基づき、対象者に特定の状況や課題を与え、その反応を測定するものである。その際、反応に影響する可能性のある余計な刺激である( 剰余変数 )を極力減らす必要がある。他にも、調査法や面接法などがある。
これらの方法を用いて、発達的変化の過程を明らかにしていく研究で、特定の個人や集団を繰り返し測定するものを( 縦断研究 )という。その中でも単に年齢による発達的変化だけでなく、どのような時代に育った世代かということを考慮する研究方法を( コホート研究 )という。

 

 

イ 横断研究: 決まったタイミングで色々な年齢や条件の人を同じタイミングで調べる研究方法です。

 

オ 参与: 研究者が対象者の中に参加し、観察することです。

 

カ 独立変数: 条件を変えたらどのように反応するかなど、研究者が操作する要因のことです。

 

ク ナラティブ研究:ナラティブとは「物語」のことを指し、人が経験した出来事を通して、その人の考え方を理解、分析することです。

 

 

 

以上のことからこの選択肢は正答です。
 

まとめ

研究法を学んでおくことで、目の前の子どもを、発達の流れに沿った姿として捉えることができ、保育者としての実践につなげることができます。

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