保育士 過去問
令和7年(2025年)前期
問85 (保育の心理学 問5)
問題文
次のうち、ピアジェ(Piaget, J.)の理論の前操作期に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 対象の形や状態を変化させても、対象の数量などの性質は変化しないことがわかる。
B 自分の視点が他者の視点と区別されないという特徴があり、自分にどのように見えているかが優先される。
C 目の前にない事柄を心の中でイメージとして思い浮かべ、考えたり行動したりすることができる。
D 石や机、花や雲などにも人間と同じように生命があり、人間と同じように感じたり考えたりすると信じる傾向がある。
A 対象の形や状態を変化させても、対象の数量などの性質は変化しないことがわかる。
B 自分の視点が他者の視点と区別されないという特徴があり、自分にどのように見えているかが優先される。
C 目の前にない事柄を心の中でイメージとして思い浮かべ、考えたり行動したりすることができる。
D 石や机、花や雲などにも人間と同じように生命があり、人間と同じように感じたり考えたりすると信じる傾向がある。
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問題
保育士試験 令和7年(2025年)前期 問85(保育の心理学 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
次のうち、ピアジェ(Piaget, J.)の理論の前操作期に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 対象の形や状態を変化させても、対象の数量などの性質は変化しないことがわかる。
B 自分の視点が他者の視点と区別されないという特徴があり、自分にどのように見えているかが優先される。
C 目の前にない事柄を心の中でイメージとして思い浮かべ、考えたり行動したりすることができる。
D 石や机、花や雲などにも人間と同じように生命があり、人間と同じように感じたり考えたりすると信じる傾向がある。
A 対象の形や状態を変化させても、対象の数量などの性質は変化しないことがわかる。
B 自分の視点が他者の視点と区別されないという特徴があり、自分にどのように見えているかが優先される。
C 目の前にない事柄を心の中でイメージとして思い浮かべ、考えたり行動したりすることができる。
D 石や机、花や雲などにも人間と同じように生命があり、人間と同じように感じたり考えたりすると信じる傾向がある。
- A:○ B:○ C:× D:○
- A:○ B:× C:○ D:×
- A:× B:○ C:○ D:○
- A:× B:○ C:× D:×
- A:× B:× C:× D:○
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この過去問の解説 (2件)
01
前操作期の特徴と意味を理解しておきましょう。
A:× 保存性の未発達:物の形が変わっても、中身の数や量が変化しないことを理解できません。
B:○ 自己中心性:他者の視点を理解することはできず、自分に見えているものがすべてで、正しいと思う特徴があります。
C:○ 象徴機能:すじみちを立てて考えることは難しいですが、生活の中で体験したことを、頭の中で考え再現します。例えばブロックを車に見立てたり、石や葉っぱを食べ物に見立て手遊ぶことができます。
D:○ アニミズム:生きていないものに対して、命や感情があると考え、「人形がお腹すいたって言ってるよ」などと感じることです。
以上のことからこの選択肢は正答です。
年齢に応じた発達の学びは、子どもの姿を見て、「今こんなところが育っているんだ」と理解につながります。
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02
ピアジェは、子どもの発達を4つの段階に分けて理論化しました。前操作期(2歳ごろ~7歳ごろ)に関する問題です。
この選択肢が正解です。
A 対象の形や状態を変化させても、対象の数量などの性質は変化しないことがわかる。
×です。
いわゆる「保存の概念」が分かるのは、具体的操作期(7歳ごろ-11歳ごろ)です。
前操作期では、物の見た目が変わると、量も変わったと考えてしまいます。
たとえば、長さの違うコップ(片方は細長い)に同じ量の水を入れると、細長いコップのほうが量が多いと捉えます。
また、同じ数のコインを、片方は同じ間隔で、もう片方は間隔を広く開けて並べると、間隔を開けて並べたほうが数が多いと答えます。
これらは、とても有名な実験です。
B 自分の視点が他者の視点と区別されないという特徴があり、自分にどのように見えているかが優先される。
〇です。
「自己中心性」です。「わがまま」という意味ではありません。認知的・発達的な限界です。
ピアジェの「三つ山課題(三つ山問題)」は有名です。
すなわち、子どもの前に、高さの異なる3つの山の模型を置きます。
「自分がここに座っているとき、(別の視点にいる)相手からはどう見える?」と問うと、子どもは、自分の見えた視点を答えます。
C 目の前にない事柄を心の中でイメージとして思い浮かべ、考えたり行動したりすることができる。
〇です。
目の前にないものをイメージする「象徴機能」が、前操作期の特徴です。
「ごっこ遊び」や、以前に見たものを絵に描いてみたり、できごとを言葉で表現しようとする姿勢です。
イメージの世界がひろがることで、過去や未来の感覚も養われていきます。
D 石や机、花や雲などにも人間と同じように生命があり、人間と同じように感じたり考えたりすると信じる傾向がある。
〇です。
「アニミズム」といいます。生きていないものにも感情や思考があると考えます。
「ドアを強く閉めたら、ドアは痛いって言うよ」などです。
4歳ごろになると、生きているものとそうでないものの区別がつくようになるといわれています。
共感したり、物語を理解するために大切です。
これらの発達を「未熟である」「間違っている」と捉えるのではなく、成長の段階であり、子どもの見ている世界に寄り添えると考え、保育につなげていきましょう。
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