保育士 過去問
令和7年(2025年)前期
問87 (保育の心理学 問7)

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問題

保育士試験 令和7年(2025年)前期 問87(保育の心理学 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、観察学習に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

A  条件反射のメカニズムによって行動の変化を説明する理論であり、バンデューラ(Bandura, A.)が提唱した。
B  攻撃行動などのネガティブな行動だけではなく、ポジティブな行動を学習する可能性もある。
C  行動の変化は、内的な認知過程の変化ではなく単純な模倣によってもたらされる。
D  他者がほめられたり、罰せられたりすることを見るだけで、学習者の行動が促進されたり、抑制されたりする。
  • A:○  B:○  C:○  D:×
  • A:○  B:○  C:×  D:×
  • A:○  B:×  C:×  D:○
  • A:×  B:○  C:×  D:○
  • A:×  B:×  C:○  D:×

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この過去問の解説 (2件)

01

「学ぶこと」、より厳密にいえば「他者を見て学ぶこと」を科学的に解明した、バンデューラの観察学習に関する問題です。

選択肢4. A:×  B:○  C:×  D:○

正解です。

A:×  B:○  C:×  D:○

 

A  条件反射のメカニズムによって行動の変化を説明する理論であり、バンデューラ(Bandura, A.)が提唱した。

×です。

条件反射と観察学習は異なります。

梅干しを見ると唾液が出るような、刺激と反応の直接的な結びつき(条件反射)ではない学習の方法を、バンデューラは提唱しました。


B  攻撃行動などのネガティブな行動だけではなく、ポジティブな行動を学習する可能性もある。

○です。

友だちが親切にしてくれたから、自分も親切にしようと思うのは、まさにポジティブな学習です。

逆に、いじめに加担するなどのネガティブな行動の学習もあります。


C  行動の変化は、内的な認知過程の変化ではなく単純な模倣によってもたらされる。

×です。

バンデューラは、行動を変化させるためには、単に真似るのではなく、以下の4つの過程を経るような真似の仕方が大切だとしました。

①注意過程(なぜそうなるのか考える)

②保持過程(大事な部分を覚える)

③運動再生過程(やってみる)

④動機づけ過程(結果からさらに考える)

 

理由を考えずにただ真似たりしても、よい学習とはいえません。

 


D  他者がほめられたり、罰せられたりすることを見るだけで、学習者の行動が促進されたり、抑制されたりする。

○です。

観察学習の重要な概念である代理強化代理罰の説明です。

友だちが人助けをして褒められたから、自分も人助けをしたいと思うのは代理強化です。

いじめに加担していた人の話を聞いて、自分はいじめをしないと思うのは代理罰です。

 

まとめ

真似ることは学ぶことであるとよく言われます。それが今回の「観察学習」です。

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02

観察学習についての問題です。重要なポイントや4つの過程も、しっかりと学んでおきましょう。

選択肢4. A:×  B:○  C:×  D:○

A:× 条件反射のメカニズムによって行動の変化を説明する理論はパブロフの学習理論になります。観察学習はバンデューラが提唱しました。

 

B:○ 大人や友達のいい言動を真似る姿で、観察学習の一つです。

 

C:× 模倣して学習が成り立つためには、「注意過程」「保持過程」「運動再生過程」「動機付け過程」の4つのプロセスが必要です。

 

D:○ 観察学習における動機づけのことで代理強化と言います。

 

以上のことからこの選択肢は正答です。

まとめ

観察学習は、子どもの発達や行動を理解する上で、とても重要になります。

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