保育士 過去問
令和7年(2025年)後期
問7 (保育原理 問7)
問題文
【事例】
11月、実習生Yさんは、4歳児クラスの子ども5人と園庭で鬼ごっこをすることになる。このクラスでは、「バリア」と伝えることで、鬼がタッチできないというルールがある。始める前に、子どもたちはバリアをどうするかの話をし、「ありがいい」というT君に対し、S君は「なしだよ。だってずっとバリアやるから」という。Yさんは「今回はバリアなしにしよう。おにの子がタッチできなくなっちゃうからね」とみんなに伝えて、バリアはなしで鬼ごっこが始まる。
しばらくして、T君が一人でYさんのところにやってくる。「やっぱりバリア使いたい。すぐ捕まっちゃうもん」と不満そうな表情で伝える。Yさんは、「バリアがあると、おにのお友達も捕まえられなくて困っちゃうと思うよ」とT君に伝えるが、T君は納得がいかない様子である。そこでYさんは、「10数える間だけバリアを使えるのはどうかな」とT君にだけ提案する。
その後、バリアを使うT君に、S君は「バリアはだめだよ」といい、T君は「バリアはいいんだよ。10だけいいんだよ」とやりとりをしている。Yさんは、「ごめんね、10数える間だけバリアを使わせてくれるかな」と子どもたちにお願いする。10数える間だけバリアを使えるというルールで、その後の鬼ごっこは続いた。
【設問】
次のうち、「保育所保育指針」に照らし、この【事例】に対する実習生Yさんの振り返りとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 途中でT君の「バリアありがいい」という言葉を聞いて、Yさんはどうすべきかを自分なりに考えたが、先にルールを決めてしまったのだから、T君の言葉は無視するべきだった。
B 今日は10数える間はバリアを使っていいという形にしたが、バリアをどういう扱いにするといいのかは、みんなで話し合うように投げかけることも考えられた。
C バリアを使いたいという子どももいれば、ないほうがいいという子どももいる。考え方が違うと子ども同士のトラブルにつながるため、子どもが異なる考えを言わないように指導するほうが良かったのではないか。
D T君はバリアを使いたいと言っていたのに対し、Yさんが10数える間だけに限定したことが妥当だったのかどうかを考えなければならない。
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問題
保育士試験 令和7年(2025年)後期 問7(保育原理 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
【事例】
11月、実習生Yさんは、4歳児クラスの子ども5人と園庭で鬼ごっこをすることになる。このクラスでは、「バリア」と伝えることで、鬼がタッチできないというルールがある。始める前に、子どもたちはバリアをどうするかの話をし、「ありがいい」というT君に対し、S君は「なしだよ。だってずっとバリアやるから」という。Yさんは「今回はバリアなしにしよう。おにの子がタッチできなくなっちゃうからね」とみんなに伝えて、バリアはなしで鬼ごっこが始まる。
しばらくして、T君が一人でYさんのところにやってくる。「やっぱりバリア使いたい。すぐ捕まっちゃうもん」と不満そうな表情で伝える。Yさんは、「バリアがあると、おにのお友達も捕まえられなくて困っちゃうと思うよ」とT君に伝えるが、T君は納得がいかない様子である。そこでYさんは、「10数える間だけバリアを使えるのはどうかな」とT君にだけ提案する。
その後、バリアを使うT君に、S君は「バリアはだめだよ」といい、T君は「バリアはいいんだよ。10だけいいんだよ」とやりとりをしている。Yさんは、「ごめんね、10数える間だけバリアを使わせてくれるかな」と子どもたちにお願いする。10数える間だけバリアを使えるというルールで、その後の鬼ごっこは続いた。
【設問】
次のうち、「保育所保育指針」に照らし、この【事例】に対する実習生Yさんの振り返りとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 途中でT君の「バリアありがいい」という言葉を聞いて、Yさんはどうすべきかを自分なりに考えたが、先にルールを決めてしまったのだから、T君の言葉は無視するべきだった。
B 今日は10数える間はバリアを使っていいという形にしたが、バリアをどういう扱いにするといいのかは、みんなで話し合うように投げかけることも考えられた。
C バリアを使いたいという子どももいれば、ないほうがいいという子どももいる。考え方が違うと子ども同士のトラブルにつながるため、子どもが異なる考えを言わないように指導するほうが良かったのではないか。
D T君はバリアを使いたいと言っていたのに対し、Yさんが10数える間だけに限定したことが妥当だったのかどうかを考えなければならない。
- A:○ B:○ C:× D:○
- A:○ B:× C:○ D:×
- A:× B:○ C:○ D:×
- A:× B:○ C:× D:○
- A:× B:× C:○ D:○
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この過去問の解説 (2件)
01
保育士試験や実習の振り返りにおいて、子どもの主体性と集団でのルールの折り合いをどう考えるかは非常に重要なテーマです。この事例を解くポイントは、「保育所保育指針」における「人間関係」や「言葉」の領域、そして子どもの自己主張と譲り合い(葛藤)のプロセスを保育者がどう支えるかという視点にあります。保育者は単にルールを強制するのではなく、子どもたちが互いの思いを知り、納得してルールを作っていく過程を大切にする必要があります。
A:×
「先にルールを決めてしまったのだから、T君の言葉は無視するべきだった」 保育において、一度決めたルールを守ることは大切ですが、子どもの「やりたい」「困った」という気持ちを「無視する」ことは不適切です。4歳児は自分の思いを主張しつつ、他者の思いにも気づき始める時期です。T君の不満を受け止め、どうすればみんなが楽しく遊べるかを一緒に考えることが、指針に示される「情緒の安定」や「自己の感情のコントロール」に繋がります。
B:○
「バリアをどういう扱いにするといいのかは、みんなで話し合うように投げかけることも考えられた」 これは非常に適切な振り返りです。4歳児クラスでは、共通の目的に向かってルールを共有し、調整する力が育ち始めます。実習生が「こうしよう」と決めてしまうだけでなく、「T君はこう言っているけれど、みんなはどう思う?」と問いかけることで、子どもたちが自分たちで解決策(合意形成)を見つける貴重な学びの機会になります。
C:×
「トラブルにつながるため、子どもが異なる考えを言わないように指導するほうが良かったのではないか」 保育の目的は、トラブルを未然に防ぐために子どもの口を封じることではありません。異なる意見がぶつかり合う(葛藤する)ことは、相手の立場を理解し、社会性を育むために必要なプロセスです。「保育所保育指針」でも、自分の思いを言葉で伝え、相手の意見を聞く態度は、人間関係の形成において重視されています。
D:○
「10数える間だけに限定したことが妥当だったのかどうかを考えなければならない」 保育の振り返りにおいて、自分の援助が子どもたちの遊びを深めたか、あるいは制限してしまったかを検証することは不可欠です。この場合、T君には妥協案となりましたが、他の子どもたちにとっては後出しのルール変更になりました。その「折衷案」がクラス全体にとって納得感のあるものだったかを省みることは、実習生の学びとして非常に重要です。
この事例を通して学ぶべき「保育の視点」は以下の3点です。
1:子どもの育ちの尊重: ルールは「大人が守らせるもの」ではなく、「子どもたちが楽しく遊ぶために自分たちで作るもの」という視点を持つ。
2:葛藤の価値: 意見の対立はトラブルの種ではなく、社会性を育むチャンスであると捉える。
3:保育者の仲立ち: 保育者は解決策を提示するだけでなく、子ども同士の言葉のやり取りをサポートし、双方が納得できる「落とし所」を見つける手助けをする役割が求められる。
実習生Yさんの行動は、T君に寄り添おうとした点は良いですが、クラス全体での話し合いに繋げられればより深い保育になった、という振り返りが正解への近道です。
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02
保育所保育指針における4歳児の保育のねらいと内容から考えてみましょう。
人間関係の「ねらい」
友達とのつながりを広げ、集団で活動することを楽しむ。
人間関係の「内容」
自分のしたいと思うこと、してほしいことをはっきり言うようになる。
友達と生活する中で、きまりの大切さに気づき、守ろうとする
とあります。
このねらいと内容から、
〇遊びについてどうしたいか自分たちで話合う
〇ルールに気が付いて、守って遊ぼうとする
ことを意識して援助を行うことが大切だといえます。
選択肢A
不適切です。
対立する2つの意見がありましたが、
Yさんだけの思いでルールを決めてしまったため、
納得しない子どもがいる中で遊びが始まってしまいました。
Tくんの言葉を無視することが適切なのではなく、
まず話し合いを行い、自分たちでルールを決めることが大切だったと考えられます。
選択肢B
適切です。
意見がぶつかることもありますが、
みんなで話し合うという時間を設けることは重要です。
選択肢C
不適切です。
違う考え方でも自分の意見を言う機会を持つことは重要です。
トラブルになることもありますが、言わないように指導を行うのは適切ではありません。
選択肢D
適切です。
バリアについて子どもたちがやりとりを行っています。
意見が対立してトラブルになるかもしれませんが、
「10数える間だけつかえる」というのはYさんが考えたルールです。
子どもたちが話をして決めることを見守ることも大切です。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
正解です。
誤りです。
4歳児は友達との関わりが増え、一緒に遊ぼうとすることも多くなります。
自分の思いを伝えようとし、ぶつかり合ってしまうことがあります。
気持ちを伝えようとすることを尊重しながら、言い合いになる様子があってもすぐに間に入らずに見守ったり、
時には話し合う機会を持てるよう伝えていきましょう。
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