保育士 過去問
令和7年(2025年)後期
問9 (保育原理 問9)

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問題

保育士試験 令和7年(2025年)後期 問9(保育原理 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
X保育所では月に1回程度、職員間で子どもの姿について話し合う機会を設けている。内容は多岐にわたるが、今月は、W君(4歳)への関わりについて話し合うことになった。W君は、担当保育士からすると予測が難しい行動をとることが多く、事故につながりかねないようなヒヤリとする場面があったり、友達とトラブルになったりすることもある。

【設問】
次のうち、「保育所保育指針」に照らし、職員間での話し合いの方向性として、適切なものを3つ選びなさい。
  • 様々な場面でのW君の姿を職員間で共有し、W君についての理解を深める。
  • W君がもう4歳児であるということを意識し、就学に向けて何ができていないかを検討する。
  • 不適切な行動を家庭でも厳しく叱るよう、W君の保護者への指導を検討する。
  • これまでの記録を見直し、W君が落ち着いて過ごせるように環境を再構成する。
  • W君が安心して過ごせるように、周りの友達との関係について再度検討する。

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この過去問の解説 (3件)

01

保育所での職員間の話し合い(カンファレンス)は、子どもの発達や行動を理解し、より良い環境や関わりを考えるための重要な場です。「保育所保育指針」では、子ども一人ひとりの特性を理解し、安心して過ごせる環境づくりや適切な支援を検討することが求められています。単に行動の是非を議論するのではなく、子どもの発達的な視点や環境調整、友人関係を含めた包括的な支援の方向性がポイントです。

選択肢1. 様々な場面でのW君の姿を職員間で共有し、W君についての理解を深める。


指針では、職員間での情報共有を通じて子どもの特性を理解することが重視されています。

選択肢2. W君がもう4歳児であるということを意識し、就学に向けて何ができていないかを検討する。

×
就学準備だけに焦点を当てるのではなく、現在の発達段階や個別の特性を理解する視点が求められます。

選択肢3. 不適切な行動を家庭でも厳しく叱るよう、W君の保護者への指導を検討する。

×
子どもを叱ることを家庭に押し付けるのは指針に反します。家庭と連携しながら、安心して過ごせる支援の在り方を話し合うことが基本です。

選択肢4. これまでの記録を見直し、W君が落ち着いて過ごせるように環境を再構成する。


子どもが安心して過ごせるように環境を調整することは、指針で明確に求められている対応です。

選択肢5. W君が安心して過ごせるように、周りの友達との関係について再度検討する。


子どもは友達との関わりの中で成長するため、関係性を見直すことは安心・安全な環境づくりに直結します。

まとめ

職員間での話し合いでは、子どもの行動を単に評価するのではなく、子どもの特性や行動の背景を理解し、環境や関係性を調整する方向で検討することが重要です。保育指針の視点では、個別性の尊重と安心感の確保が最優先であり、家庭に厳しい指導を求めたり就学準備だけに焦点を当てることは不適切です。子どもが落ち着いて過ごせる環境づくりや友達との関係性の見直しを含めた総合的な支援が求められます。

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02

保育所保育指針の第5章、「職員の資質向上」には、保育の課題への共通理解や協同性を高めること、職員同士が学びあい、研修などの機会を持つ事について書かれています。

特定の子どもについての話し合いも含めて、職員間で理解を深めておくことは重要です。

 

問題文のW君は4歳児で、ヒヤリとする場面があり、トラブルもあるとのことで、どうしてそのようなことが起きたのか、また事故になる前の対応や配慮が必要だといえます。


 

選択肢1. 様々な場面でのW君の姿を職員間で共有し、W君についての理解を深める。

適切です。

怪我や事故につながることを避けるため、様々な場面を想定しての対応を共有しておくことは適切です。

選択肢2. W君がもう4歳児であるということを意識し、就学に向けて何ができていないかを検討する。

不適切です。

4歳児の発達段階に合わせた対応が適している時もありますが、その子どもの特性や発達のペースに合った対応が求められます。就学を向けてできていないことのみに目を向けるのは適切ではありません。

選択肢3. 不適切な行動を家庭でも厳しく叱るよう、W君の保護者への指導を検討する。

不適切です。

家庭との連携は大切であり、子どもの発達において情報共有は重要です。

子どもや保護者の不安が減るような働きかけは適切ですが、不適切な行動を指摘することや、保護者への指導は適切ではありません。

選択肢4. これまでの記録を見直し、W君が落ち着いて過ごせるように環境を再構成する。

適切です。

どうしてW君が危険な行動をとることに至ったのかを振り返ることは適切です。環境を整え、事故を未然に防ぐことができるような配慮を行います。

選択肢5. W君が安心して過ごせるように、周りの友達との関係について再度検討する。

適切です。

W君も含め、子どもが安全で快適に過ごせるような環境づくりは重要です。

危険な箇所を取り除き、友達と安心して関わることのできる空間を提供します。

まとめ

保育所での話し合いの議題はたくさんありますが、情報を職員間で共有することが大切です。

職員の資質向上、事故の防止や保育士同士の連携のため、話し合う機会が設けられます。

参考になった数65

03

予測が難しい行動や、トラブルが見られる子どもに対して、大人が一方的に矯正や指導を押し付けるのではなく、「チーム全体で子どもの内面を理解し、保育環境や関係性を見直す」という、保育所保育指針が示す基本姿勢を問う事例問題です。

選択肢1. 様々な場面でのW君の姿を職員間で共有し、W君についての理解を深める。

W君の行動を「問題」として捉えるのではなく、多面的に理解しようとする姿勢が適切です。
一人の保育士だけでなく職員全体で情報共有することで、W君への理解が深まります。

選択肢2. W君がもう4歳児であるということを意識し、就学に向けて何ができていないかを検討する。

「できていないこと探し」は子どもの欠点・課題に焦点を当てた見方です。
保育所保育指針では子どものできること・育ちを肯定的に捉える視点が基本であり、就学に向けた欠点の洗い出しは適切な方向性ではありません。

選択肢3. 不適切な行動を家庭でも厳しく叱るよう、W君の保護者への指導を検討する。

「厳しく叱る」という罰的アプローチは保育の理念に反します。
また保護者への関わりは「指導」ではなく「支援」であるべきです。
家庭と連携するにしても、一方的な指示ではなく協力関係を築くことが求められます。

選択肢4. これまでの記録を見直し、W君が落ち着いて過ごせるように環境を再構成する。

W君の行動の背景を記録から読み解き、環境を整えることで子どもの姿が変わるという視点は保育所保育指針の核心です。
「子どもを変えよう」ではなく「環境を変えよう」という発想が重要です。

選択肢5. W君が安心して過ごせるように、周りの友達との関係について再度検討する。

W君が安心して過ごせる人的環境(友達との関係)を見直すことも、環境の再構成のひとつです。
友達との関係がW君の行動に影響している可能性を検討する視点は適切です。

まとめ

W君が問題なのではなく、W君がその行動をとらざるを得ない何かがあるのかもしれません。

子どもの行動の背景を環境・関係・発達から読み解く力こそ、保育士の専門性です。

参考になった数5