保育士 過去問
令和7年(2025年)後期
問72 (社会福祉 問12)

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問題

保育士試験 令和7年(2025年)後期 問72(社会福祉 問12) (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、ソーシャルワークのアプローチに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

A  ナラティブ・アプローチは、利用者自身について利用者が話すオルタナティブストーリーをドミナントストーリーへ転換することで問題解決に向かう方法である。
B  ナラティブ・アプローチは、社会構成主義を理論基盤としたアプローチである。
C  エコロジカル・アプローチは、医療モデルといわれるアプローチである。
D  エコロジカル・アプローチは、利用者の問題を利用者と環境との相互作用の結果として捉える。
  • A:○  B:○  C:×  D:×
  • A:○  B:×  C:○  D:○
  • A:○  B:×  C:○  D:×
  • A:×  B:○  C:×  D:○
  • A:×  B:×  C:○  D:○

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この過去問の解説 (3件)

01

ソーシャルワークのアプローチについての理解を問う問題です。

選択肢4. A:×  B:○  C:×  D:○

A:×ナラティブ・アプローチは、ドミナントストーリー(その人の中で支配されている物語)を、オルタナティブストーリー(ドミナントストーリーの背景にある別の物語)に転換することです。

 

B:○ ナラティブ・アプローチは、人との会話の中で作られる、社会構成主義を基盤としたアプローチです。

 

C:× エコロジカル・アプローチは、人と環境が互いに関係して問題を解決する、生活モデルといわれるアプローチです。

医療モデルとは:問題の原因は「病気や障害」にあり、医療的ケアをしながら行うアプローチになります。

 

D:○ エコロジカル・アプローチは、人だけでなく、利用者の環境も一緒に作用するという考え方です。

 

 

以上のことからこの選択肢は正答です。

まとめ

保育士は、子どもを見るだけでなく、子どもの背景も理解して支援を行っていきます。

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02

この問題で絶対に押さえておくべきポイントは、

それぞれの理論の「キーワードの方向性」です。

ナラティブ・アプローチでは、

「ドミナント・ストーリー(自分を苦しめる固定化された物語)」から

「オルタナティブ・ストーリー(新たな肯定的な物語)」へと転換していく方向性が重要です。

これを逆にして引っかけるのが定番パターンです。

また、エコロジカル・アプローチは、「問題は個人の病気(医療モデル)ではなく、

人と環境のズレ(生活モデル)から生じる」と考えるのが最大の特徴です。

この対比を意識して、選択肢を見ていきましょう。

選択肢4. A:×  B:○  C:×  D:○

A:×

ドミナント・ストーリー(支配的な物語):「私はダメな人間だ」「いつも失敗する」といった、

本人を縛り付け、苦しめている問題に満ちた物語です。

オルタナティブ・ストーリー(代替の物語):

対話を通して見つけていく、「例外的にうまくいった時のこと」や「本人の強み」に焦点を当てた、

新たな肯定的な物語です。

正しくは、「ドミナント・ストーリー」から「オルタナティブ・ストーリー」へ転換していくのがナラティブ・アプローチです。

 

B:○

社会構成主義とは、「客観的な絶対の真実があるわけではなく、

現実は人々の言葉やコミュニケーション(社会的なやり取り)によって構成されている」とする考え方です。

だからこそ、語り(ナラティブ)を変えることで、その人の現実(問題)も変えていけると考えます。

ホワイトとエプストンによって提唱されました。

 

C:×

「医療モデル」ではなく「生活モデル」です。

医療モデル:問題の原因は「個人の中の病理(病気)」にあるとし、それを「治療・指導」しようとする古い考え方です。

生活モデル(エコロジカル・アプローチ): ジャーメインとギッターマンが提唱しました。問題は個人の中にあるのではなく、

人と環境の「適合の悪さ(ズレ)」にあると考えます。

 

D:○

これを「人と環境の交互作用(Person-in-Environment)」と呼びます。個人を変えるか、

環境を変えるか、あるいはその両方に働きかけて、

うまく適応できるように支援していくのがエコロジカル・アプローチの核心です。

まとめ

この2つのアプローチは、以下のキーワードでセットにして暗記しましょう!

ナラティブ・アプローチ

キーワード:社会構成主義ドミナント(悪い)からオルタナティブ(良い)へ転換!

提唱者:ホワイト、エプストン

エコロジカル・アプローチ

キーワード:生活モデル(※医療モデルではない)、人と環境の交互作用

提唱者:ジャーメイン、ギッターマン

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03

カタカナの専門用語が持つ「本来の意味と方向性」を正確に掴み、得点へつなげましょう。

選択肢4. A:×  B:○  C:×  D:○

A  ナラティブ・アプローチは、利用者自身について利用者が話すオルタナティブストーリーをドミナントストーリーへ転換することで問題解決に向かう方法である。(×)

反対になってしまっています。

目指すべきゴールは苦しい物語から抜け出すことなので、「ドミナントストーリーを、オルタナティブストーリーへ転換する」が正解です。

 

ドミナント(=支配的な)ストーリー:

例:まわりから「お前はダメだ」と言われてきたから、本当に自分はダメだと思ってしまう。

うまくいったことは偶然や奇跡に違いないと考え無視する。

これでは本人は苦しくなるだけです。

 

オルタナティブ(=代わりの)ストーリー:

例:周りからダメだと言われてきたけれど、あのときはうまくいった。

私は無能なのではなく、自分のペースでできるような環境さえあれば、力を発揮できるのだ。

 

このように、過去の苦しい出来事の意味づけをガラッと変えて、前向きな新しい物語を作り出すプロセスをナラティブ・アプローチと言います。


B  ナラティブ・アプローチは、社会構成主義を理論基盤としたアプローチである。(〇)
社会構成主義は、「現実には絶対的な正解が最初からあるわけではない」と考えます。

だからこそ、対話を通じて物語を書き換えていこうね、というナラティブに繋がります。

 

C  エコロジカル・アプローチは、医療モデルといわれるアプローチである。(×)
医療モデル:本人の心や体に病気・原因があるから治療する。

エコロジカル(生態学的)アプローチ:「人と環境のあいだ」に注目する。

 

D  エコロジカル・アプローチは、利用者の問題を利用者と環境との相互作用の結果として捉える。(〇)

問題の原因を「本人が悪い」とするのでもなく、「社会が100%悪い」とするのでもありません。

「本人と、それを取り巻く環境(家族、地域、制度など)の「噛み合わせ(相互作用)」が、今はたまたま上手くいっていないだけだ」と考えます。

だからこそ、環境の側を調整したり、本人の力を引き出したりして良くしようとアプローチします。

 

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