保育士 過去問
令和7年(2025年)後期
問74 (社会福祉 問14)

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問題

保育士試験 令和7年(2025年)後期 問74(社会福祉 問14) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、「障害福祉サービスの利用等にあたっての意思決定支援ガイドライン」における、「意思決定支援の基本的原則」の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

・ 本人への支援は、( A )の尊重に基づき行うことが原則である。(中略)幅広い選択肢から選ぶことが難しい場合は、選択肢を絞った中から選べるようにしたり、( B )や具体物を手がかりに選べるようにしたりするなど、本人の意思確認ができるようなあらゆる工夫を行い、本人が安心して自信を持ち自由に意思表示できるよう支援することが必要である。
・ 職員等の( C )においては不合理と思われる決定でも、他者への権利を侵害しないのであれば、その選択を尊重するよう努める姿勢が求められる。また、本人が意思決定した結果、本人に不利益が及ぶことが考えられる場合は、意思決定した結果については最大限尊重しつつも、それに対して生ずる( D )について、どのようなことが予測できるか考え、対応について検討しておくことが必要である。
  • A:最善の利益  B:体験活動  C:倫理観  D:リスク
  • A:最善の利益  B:絵カード  C:価値観  D:リスク
  • A:自己決定   B:体験活動  C:倫理観  D:健康への影響
  • A:自己決定   B:絵カード  C:倫理観  D:健康への影響
  • A:自己決定   B:絵カード  C:価値観  D:リスク

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この過去問の解説 (3件)

01

意思決定支援の基本的原則には、可能な限り本人の意思を尊重していく対応が示されています。

選択肢5. A:自己決定   B:絵カード  C:価値観  D:リスク

意思決定支援の基本的原則には、次のように示されています。

 

・ 本人への支援は、( 自己決定 )の尊重に基づき行うことが原則である。(中略)幅広い選択肢から選ぶことが難しい場合は、選択肢を絞った中から選べるようにしたり、( 絵カード )や具体物を手がかりに選べるようにしたりするなど、本人の意思確認ができるようなあらゆる工夫を行い、本人が安心して自信を持ち自由に意思表示できるよう支援することが必要である。
・ 職員等の( 価値観 )においては不合理と思われる決定でも、他者への権利を侵害しないのであれば、その選択を尊重するよう努める姿勢が求められる。また、本人が意思決定した結果、本人に不利益が及ぶことが考えられる場合は、意思決定した結果については最大限尊重しつつも、それに対して生ずる( リスク )について、どのようなことが予測できるか考え、対応について検討しておくことが必要である。

 

 

以上のことからこの選択肢は正答です。

まとめ

意思決定のリスクについても、対応を考え支援していくことが定義とされています。

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02

この問題で絶対に押さえておくべきポイントは、

「自己決定の尊重」と「リスクの尊厳」という考え方です。

従来の福祉では、支援者が「この人にとって一番安全で良いこと(最善の利益)」

を代行して決めてしまうこと(パターナリズム)がよくありました。

しかし現在の障害福祉では、本人の「自己決定」こそが最大の原則です。

たとえ支援者の価値観から見て「不合理」や「危険(リスク)」に思える選択であっても、

それを頭ごなしに否定するのではなく、

「どうすればその意思を安全に実現できるか」を一緒に考えることが支援者の役割となります。

選択肢5. A:自己決定   B:絵カード  C:価値観  D:リスク

A:自己決定

解説:障害福祉サービスにおいて、本人への支援は「自己決定」の尊重に基づき行うことが大原則です。

「最善の利益」という言葉は、本人の意思がどうしても確認できない場合の最終手段として用いられることはありますが、

原則はあくまで本人の「自己決定」です。

 

B:絵カード

解説:言葉だけでのコミュニケーションや、見えない選択肢の中から選ぶことが難しい方に対する具体的な工夫の例です。

「具体物(実物)」と並んで視覚的な手がかりとなる「絵カード」などがガイドラインには明記されています。

体験活動も大切ですが、文脈的に「手がかりにして選ぶ」と並列になるのはコミュニケーションツールの絵カードです。

 

C:価値観

解説:職員等の「価値観」においては不合理と思われる決定であっても、

他者の権利を侵害しない限り尊重する姿勢が求められます。

「倫理観」としてしまうと社会的な道徳や善悪の話になってしまいますが、

ここで言及されているのは「支援者から見たら非効率だ、意味がないように見える」といった主観的な価値観の違いについてです。

 

D:リスク

解説:本人が自ら選んだ結果として生じるマイナス面を「リスク」と表現しています。

「リスクの尊厳」という言葉があるように、失敗する権利やリスクを負う権利も本人の大切な権利の一部です。

支援者はそのリスクをゼロにする(挑戦させない・禁止する)のではなく、

どんなリスクが予測されるかを事前に考え、対応策を準備しながら本人の決断をサポートすることが必要です。

まとめ

意思決定支援ガイドラインの要点は、以下の3つのキーワードで整理しておきましょう!

大原則:何よりもまずは本人の「自己決定」の尊重!

手段の工夫:言葉だけでなく、「絵カード」や具体物を使って意思を引き出す!

支援者の姿勢:自分の「価値観」を押し付けず、本人が「リスク」を取る権利も尊重して備える!

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03

このガイドラインの穴埋め問題は、単なる暗記ではなく、支援者の「本人の意思の尊重と、安全確保について」の文脈からアプローチすると解くことができます。 

選択肢5. A:自己決定   B:絵カード  C:価値観  D:リスク

・ 本人への支援は、( 自己決定 )の尊重に基づき行うことが原則である。(中略)幅広い選択肢から選ぶことが難しい場合は、選択肢を絞った中から選べるようにしたり、( 絵カード )や具体物を手がかりに選べるようにしたりするなど、本人の意思確認ができるようなあらゆる工夫を行い、本人が安心して自信を持ち自由に意思表示できるよう支援することが必要である。
・ 職員等の( 価値観 )においては不合理と思われる決定でも、他者への権利を侵害しないのであれば、その選択を尊重するよう努める姿勢が求められる。また、本人が意思決定した結果、本人に不利益が及ぶことが考えられる場合は、意思決定した結果については最大限尊重しつつも、それに対して生ずる( リスク )について、どのようなことが予測できるか考え、対応について検討しておくことが必要である。

 

 

最善の利益 と 自己決定

私たちは「子どもの最善の利益」を尊重するよう繰り返し習います。

しかし意思決定支援においては、周りが決める最善の利益よりも、本人の自己決定のほうが大事です。

 

体験活動 と 絵カード

「どうしたい?」と言葉で聞くのが難しい場合は、絵カードを使います。

絵カードは挨拶(おはよう、ありがとう等)や日常生活でよく使う言葉(起きる、トイレ、おやつ等)が書かれていて、

本人に指をさしてもらいます。

体験活動は例えば、「電車に乗ってカードをタッチしてみる」「お店で職業体験をしてみる」といった、「本人がこれからの人生の選択肢(やりたいこと)を広げるための経験そのもの」を指します。

体験したことも見たこともない活動は「やりたい」とも思えないわけです。

ここでは大掛かりな体験活動よりも、より日常的な絵カードが選ばれています。

 

倫理観 と 価値観 

ここで「倫理観」を入れてしまうと、「職員の持っている倫理観(マナー)からみて不合理でも、他者に迷惑をかけなければ尊重されるべき」となってしまいます。たとえ「万引きしたい」「自分を傷つけたい」と言われたときでも本人の意見を大切にしなければならないと、文章の意味がおかしくなってしまいます。

 

倫理観 = プロとして「絶対に譲れない一線」(他者への加害など)。

価値観 = 職員がよかれと思って持っている「普通はこうするべき」というマイルール。

 

健康への影響 と リスク

仮に、「今あるお金をすべて全額、推しに使いたい」と言われたとします。

職員の価値観では「お金を全部使ったら、生活費はどうするのか。計画的に使うべき」と思っても、まずは本人の意思を大切にします。

しかしリスクを考えなくていいわけではありません。対応を検討します。

来月のシフトを増やすよう促したり、お金に関する勉強会を開いてもいいでしょう。

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