保育士 過去問
令和7年(2025年)後期
問81 (保育の心理学 問1)
問題文
次のうち、発達に関する記述として、適切なものを3つ選びなさい。
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問題
保育士試験 令和7年(2025年)後期 問81(保育の心理学 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
次のうち、発達に関する記述として、適切なものを3つ選びなさい。
- 赤ちゃんに共通する「目が大きくて顔の低い位置にある」「身体が丸く手足が短い」などの特徴を、幼児図式という。
- 社会の一員になるために必要な知識・技能・態度・価値観・生活習慣・行動様式などを身につけていくことを、個性化という。
- 劣悪な環境で育ち、発達の遅れがみられても、その後の養育環境が改善されると一定水準まで遅れを取り戻すことがある。このような個人の中での変化の可能性を指して、発達の可塑性という。
- 発達加速現象には、異なる世代間での発達速度の違いを指す年間加速現象と、同一世代でも地域や民族、階層などの発達速度の違いを指す発達勾配現象という2つの側面がある。
- 発達初期のある種の経験が後の発達に修正不可能もしくは修正困難な影響をもたらす時期を、前操作期という。
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この過去問の解説 (3件)
01
子どもの発達についての出題です。
適切です。
*ローレンツが提唱した幼児図式は、目が大きく顔の低い位置にあり、全体的に手足が短く、丸みのあるのが特徴です。
以上のことからこの選択肢は正答です。
不適切です。
*社会の一員になるために必要な知識・技能・態度・価値観・生活習慣・行動様式などを身につけていくことを、「社会化」と言います。
「個性化」とは、社会の中で自分らしさを見つけて表現していくことです。
適切です。
*人の脳は、環境や学習などの状況に応じて柔軟に変化していき、生涯にわたって発達していきます。
以上のことからこの選択肢は正答です。
適切です。
*地域や民族、生活環境の違いから、発達の速度も変化しています。
以上のことからこの選択肢は正答です。
不適切です。
*発達初期のある種の経験が後の発達に修正不可能もしくは修正困難な影響をもたらす時期を、「臨界期」と言います。
「前操作期」は、感覚的に物事を判断したり、自己中心的な考えが見られる時期です。
子どもの発達を理解することは、一人ひとりに寄り添った保育に繋がってきます。
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02
この問題で絶対に押さえておくべきポイントは、
「専門用語が指し示す状態の正しい意味」です。
発達心理学には独特のカタカナ用語や漢字の専門用語が多く登場します。
例えば、子どもが社会のルールを身につけることを「社会化」と呼んだり、
ある特定の時期にしか学べない決定的なタイミングを「臨界期」と呼んだりします。
選択肢の中には、この用語と意味をわざとチグハグに入れ替えているダミーが潜んでいます。
言葉の定義の「すり替え」に注意しながら、それぞれの選択肢を見ていきましょう。
適切です。
これを提唱者のローレンツは「ベビーシェマ(幼児図式)」と呼びました。
大人がこの特徴をもつ対象(人間の赤ちゃんや動物の子ども、
あるいはキャラクターなど)を見ると、
本能的に「可愛い」「守ってあげたい」という養護感情が引き起こされるようにプログラムされています。
不適切です。
用語がすり替えられています!
この文章が説明しているのは「個性化」ではなく、
「社会化(ソーシャライゼーション)」です。
一方、「個性化」とは、社会化のプロセスを経ながらも、
自分なりの考え方や特徴を確立し、
「自分らしさ(オリジナリティ)」を形作っていく過程のことを指します。
発達においては、この「社会化」と「個性化」の両輪が重要になります。
適切です。
「可塑性(かそせい)」とは、元々は粘土のように「力を加えると形が変わり、
その形を保つ性質」のことですが、発達心理学においては「環境からの働きかけによって、
脳や心身の発達が良い方向にも悪い方向にも変化しうる柔軟な性質」を指します。
環境改善によって遅れを取り戻すことを「キャッチアップ現象」と呼ぶこともあります。
適切です。
現代の子どもたちが、親や祖父母の世代よりも身体の成長が早く、
思春期の訪れも早くなっている現象を「発達加速現象」といいます。
これには、時代(世代)による違いである「年間(年代)加速現象」と、
同じ時代でも都市部と農村部などの環境・生活水準の違いによって生じる「発達勾配現象」の2つの側面が含まれます。
不適切です。
これも用語のすり替えです!
特定の時期の経験が、
その後の発達に決定的な影響を与える(その時期を逃すと後から取り戻すのが極めて困難になる)時期のことは、
「臨界期(クリティカル・ピリオド)」または「敏感期」と呼びます。
※有名な例:ローレンツのヒナの刷り込み現象など。
一方、「前操作期」とは、ピアジェの認知発達理論において、
およそ2歳〜7歳頃の自己中心的な思考が特徴的な時期を指す言葉です。
発達心理学の重要キーワードは、以下の正しい組み合わせでインプットしておきましょう!
ベビーシェマ(幼児図式)=「守ってあげたい」を引き出す赤ちゃん特有のフォルム!
社会化=社会のルールや習慣を身につけること!(※「個性化」ではない)
発達の可塑性=環境によって発達が変化・回復する柔軟な力!
臨界期(敏感期)=その時期を逃すと取り返しがつかない決定的なタイミング!(※「前操作期」ではない)
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03
発達に関する問題では、子どもの身体的・精神的な成長プロセスを理解しましょう。
適切です。ローレンツが提唱した概念です。
人間や動物の赤ちゃんに見られる「丸みのある体」「大きく低い位置にある目」などの特徴は、大人の「守りたい、可愛い」という養育行動を引き起こすトリガー(引き金)になっているとされています。
これは「個性化」ではなく、「社会化」の定義です。
社会のルールや文化を身につけていくプロセスを「社会化」と呼びます。
いっぽう「個性化」は、集団に染まるだけでなく、自分自身の独自のアイデンティティや個性を育てていくプロセスのことを指します。
社会化の例:
・お腹がすいても、みんなで「いただきます」をするのを待つ
・おもちゃを独り占めせず、「かして」「いいよ」と言って順番に使う。
・社会人として、時間を守る、挨拶をする、敬語を使う、TPOに合わせた服装をする。
個性化の例:
・まわりの友達がみんなサッカーで遊んでいても、自分は一人で図鑑を読んでいる時間が好きだと自覚する。
・親や先生が「こうしなさい」と言う価値観に対して疑問をもち、自分の意志で進路を選ぶ。
・自分のライフスタイルや趣味、譲れない信念はしっかりと持って生きる。
「可塑性」(かそせい)とは、環境に応じて変化したり、変化した状態を維持したりできる柔軟性のことです。
過酷な環境から守られた環境へと移ることで、子どもの発達が回復に向かう現象は、この可塑性の代表的な例です。
栄養状態や生活環境のよさが身体の成長にダイレクトに影響することで、時代とともに子どもの身体の成長が早まっていくことを「発達加速現象」と言います。
以下の2つの側面があります。
年間加速現象(世代間):親の世代より今の世代のほうが早く成長する(月経、身長が高くなる時期)
発達勾配現象:同じ時代のなかでも、都市部や特定の階層のほうが早く成長する
これは「臨界期(りんかいき)」または「敏感期(びんかんき)」の定義です。
特定の能力(言語やアタッチメントなど)に影響が出ます。
鳥類の刷り込み(インプリンティング・初めて見た動くものを親だと思うこと)は有名です。
人間であれば、生まれてから9歳〜12歳頃までのあいだに、日常的に人間の言葉を聴いて育つことで、文法や言葉の仕組みを自然と脳にインプットしていきます。
前操作期:ピアジェの発達段階(2歳〜7歳頃)のこと。自己中心的な思考、見立て遊びがキーワード。
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