保育士 過去問
令和7年(2025年)後期
問86 (保育の心理学 問6)

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問題

保育士試験 令和7年(2025年)後期 問86(保育の心理学 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、記憶に関する記述として、適切なものを2つ選びなさい。
  • 模倣の中でも、以前に観察した行動を一定時間を経てから再現することを、延滞模倣という。
  • 手続き記憶とは、過去の個人的体験に基づいた出来事についての記憶であり、時間や場所といった文脈を伴う。
  • 記憶しなければならない言葉を声に出して何回も繰り返す記憶方略を、ミラリングという。
  • 一般的な事実や概念に関する記憶である意味記憶は、短期記憶に分類される。
  • ワーキングメモリとは、何らかの認知的な活動を行いながら、そのために必要な情報を一時的に保持する働きを支える記憶能力である。

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この過去問の解説 (2件)

01

子どもの記憶の発達段階を理解しておきましょう。

選択肢1. 模倣の中でも、以前に観察した行動を一定時間を経てから再現することを、延滞模倣という。

適切です。

*延滞模倣は、過去に見たことを時間が過ぎてから再現することです。ごっこ遊びなども延滞模倣の代表例になります。

 

以上のことからこの選択肢は正答です。

選択肢2. 手続き記憶とは、過去の個人的体験に基づいた出来事についての記憶であり、時間や場所といった文脈を伴う。

不適切です。

*手続き記憶とは、一度習得すると体がしっかり覚えているので、何年経っても忘れることはありません。

身近なことでは、自転車の乗り方は体が覚えているので、数年経っていても乗ることができます。

選択肢3. 記憶しなければならない言葉を声に出して何回も繰り返す記憶方略を、ミラリングという。

不適切です。

記憶しなければならない言葉を声に出して何回も繰り返す記憶方略は、リハーサルと言います。

ミラリングは相手の言葉や動作をさりげなく真似るコミュニケーション技法の一つです。

選択肢4. 一般的な事実や概念に関する記憶である意味記憶は、短期記憶に分類される。

不適切です。

一般的な事実や概念に関する記憶である意味記憶は、長期記憶に分類される。

選択肢5. ワーキングメモリとは、何らかの認知的な活動を行いながら、そのために必要な情報を一時的に保持する働きを支える記憶能力である。

適切です。

考えるために、一次的に覚える脳の働きのことです。

 

以上のことからこの選択肢は正答です。

まとめ

覚えることが困難な子どもは、ワーキングメモリが少ないことも考えられます。

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02

この問題で絶対に押さえておくべきポイントは、

「記憶の種類(長期記憶の分類)」と「用語のすり替え」です。

心理学における記憶は、自転車の乗り方のような「体で覚える記憶(手続き記憶)」と、

昨日の夕食のような「思い出の記憶(エピソード記憶)」、

そして富士山は日本一高いといった「知識の記憶(意味記憶)」などに細かく分類されます。

国家試験では、これらの定義をわざとチグハグに入れ替えて引っかけるのが定番中の定番です。

それぞれの記憶が「どんな引き出しにしまわれているか」を具体例と一緒にイメージしながら、

選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 模倣の中でも、以前に観察した行動を一定時間を経てから再現することを、延滞模倣という。

適切です。

 

ピアジェの認知発達理論において重要なキーワードです。

例えば、子どもが昨日お母さんが料理をしているのを見て、

今日になって突然おままごとでその動作を真似し始めるような行動を「延滞模倣(えんたいもほう)」といいます。

これは、目の前にモデルがいなくても、頭の中にイメージ(表象)を記憶として留めておけるようになった成長の証です。

選択肢2. 手続き記憶とは、過去の個人的体験に基づいた出来事についての記憶であり、時間や場所といった文脈を伴う。

不適切です。

 

手続き記憶:自転車の乗り方や楽器の弾き方など、体で覚えた「技能」の記憶です。

エピソード記憶:「昨日の夕方、駅前のカフェでコーヒーを飲んだ」というような、

時間や場所(文脈)を伴う「個人の思い出」の記憶です。設問の記述はこちらを指しています。

選択肢3. 記憶しなければならない言葉を声に出して何回も繰り返す記憶方略を、ミラリングという。

不適切です。

 

リハーサル:電話番号を覚えるときに「090-○○…」と何度も口の中で繰り返すように、

情報を忘れないために反復する記憶のテクニック(方略)のことです。

ミラリング:相手のしぐさや姿勢、言葉などを鏡(ミラー)のように真似ることで、

相手に親近感や安心感を抱かせるコミュニケーション技術のことです。

選択肢4. 一般的な事実や概念に関する記憶である意味記憶は、短期記憶に分類される。

不適切です。

 

「リンゴは赤い」「日本の首都は東京である」といった一般的な知識である「意味記憶」は、

短期記憶ではなく、ずっと残り続ける「長期記憶」に分類されます。

選択肢5. ワーキングメモリとは、何らかの認知的な活動を行いながら、そのために必要な情報を一時的に保持する働きを支える記憶能力である。

適切です。

 

バドリーらが提唱した概念で、日本語では「作業記憶」とも呼ばれます。

例えば、暗算をするときに「繰り上がりの数字を頭の片隅に置きながら、

次の計算をする」といったように、情報を一時的にメモしながら作業をこなす

「脳内の作業台(黒板)」のような役割を果たす極めて重要な記憶能力です。

まとめ

記憶の分類は、以下の「長期記憶の3つの引き出し」を確実におさえておきましょう!

エピソード記憶:時間と場所を伴う「思い出」

※加齢や認知症で最も衰えやすい

意味記憶:一般的な事実や概念の「知識」

手続き記憶:体で覚えた「技能・スキル」

※認知症になっても最後まで残る

加えて、情報を一時的に保持して処理する「ワーキングメモリ(作業記憶)」も、

発達障害(ADHDや学習障害など)の支援を考える上で非常に重要なキーワードになります。

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