保育士 過去問
令和7年(2025年)後期
問90 (保育の心理学 問10)
問題文
次のうち、社会的発達に関する記述として、適切なものを1つ選びなさい。
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問題
保育士試験 令和7年(2025年)後期 問90(保育の心理学 問10) (訂正依頼・報告はこちら)
次のうち、社会的発達に関する記述として、適切なものを1つ選びなさい。
- 幼児期後期になると、役割分担をしながら共通の目的に向かって協力して遊ぶ、連合遊びがみられるようになる。
- 子どもと養育者との関わりの中で作り上げられる、他者や対人関係一般に対するシミュレーションのための認知的なモデルを、ボウルビィ(Bowlby,J.)はトランザクショナルモデルと呼んだ。
- 気に入らない他児を仲間外れにする、悪いうわさ話を流すなどの行為は、フェーディングと呼ばれ、仲間関係を操作することによって相手を攻撃することをさす。
- 幼児期の子どもの自己評価が肯定的である理由の一つとして、社会的比較によって客観的かつ正確に能力を認識して、自己を評価することが難しいことが挙げられる。
- 向社会的行動とは、他者に利益をもたらす愛他的な動機に基づく行動であり、利己的な動機に基づく行動は含まれない。
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この過去問の解説 (3件)
01
子どもの発達過程の理解が問われる問題です。
不適切です。
*幼児期後期には、役割分担をしながら共通の目的に向かって協力して遊ぶ、
協同遊びがみられるようになります。
連合遊び:友だちと同じ場所で遊びますが、役割やルールは存在することはありません。
不適切です。
*子どもと養育者との関わりの中で作り上げられる、他者や対人関係一般に対するシミュレーションのための認知的なモデルを、ボウルビィ(Bowlby,J.)は内的ワーキングモデルと呼びました。
トランザクショナルモデル:子どもと養育者との間で、愛着関係は一方的ではなく、お互いの作用によって形成されると言う理論です。
不適切です。
*気に入らない他児を仲間外れにする、悪いうわさ話を流すなどの行為は、関係性攻撃と呼ばれ、仲間関係を操作することによって相手を攻撃することを指します。
フェーディング:排除や攻撃はなく、援助などを少しずつ減らしていき、自立を促していくことです。
適切です。
*幼児期の子どもは自己中心的で、まだ、物事を客観的考えることが難しい時期でもあります。
以上のことからこの選択肢は正答です。
不適切です。
*向社会的行動とは、他者に利益をもたらす愛他的な動機に基づく行動であり、利己的な動機も含まれます。
子どもの社会的発達には、内面の育ちも関係してきます。保育士は行動の奥にある、心の発達も一緒に汲み取る力が必要になります。
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02
この問題で絶対に押さえておくべきポイントは、
「専門用語の定義のすり替えトラップ」を見抜くことです。
子どもの遊びが高度になるプロセス(連合遊びと協同遊びの違い)や、
他者を攻撃する陰湿な方法(関係性攻撃)、
そしてボウルビィが提唱した愛着の枠組み(内的ワーキングモデル)など、
よく似た言葉や別の心理学用語を当てはめて引っかけるのが国家試験の定番です。
また、幼児期の子どもが「自分は何でもできる!」と自信満々なのは、
まだ「他人と自分を客観的に比べる力(社会的比較)」が育っていないからだ、
という発達の特性を理解して選択肢を見ていきましょう。
不適切です。
用語がすり替えられています!
パーテン(Parten, M.B.)の遊びの発達段階において、
「役割分担をして、共通の目的(お城を完成させる等)に向かって協力する」
という最も高度な遊びは**「協同遊び(きょうどうあそび)」です。
一方、「連合遊び」**とは、子ども同士で会話をしたりおもちゃの貸し借りはするものの、
明確な役割分担や共通の目的を持たずに、それぞれが自分の遊びをしている状態(ゆるい繋がりの遊び)を指します。
不適切です。
これも用語のすり替えです!
ボウルビィが提唱した、幼少期の愛着(アタッチメント)形成によって作られる
「自分は愛される価値がある」「他者は信頼できる」といった人間関係の心の枠組み(モデル)のことは、
「内的ワーキングモデル(内的人間モデル)」と呼びます。
※「トランザクショナルモデル(交流モデル)」とは、サメロフらが提唱した、
子どもの発達は「子どもの特性」と「環境(親の養育など)」が相互に影響を与え合いながら進んでいくとするモデルのことです。
不適切です。
用語のすり替えです!
仲間外れや無視、悪口など、人間関係を操作して相手に精神的ダメージを与える攻撃行動を「関係性攻撃」と呼びます。
男児に多いとされる直接的な身体的攻撃に対し、女児に多く見られる傾向があります。
※「フェーディング」とは、行動療法(学習理論)の用語で、自転車の補助輪を少しずつ外していくように、
支援やヒント(手がかり)を徐々に減らしていく技法のことです。
適切です。
幼児期(特に前半〜半ば)の子どもは、
「僕の足は世界で一番速い!」
「私のお絵かきが一番上手!」と、
極めて楽観的で肯定的な自己評価を持ちます。
これは、まだ「社会的比較(他者と自分の能力を客観的に比較して相対化する力)」
が十分に発達していないためです。
学童期(小学生)に入り社会的比較ができるようになると、次第に自己評価は現実的になっていきます。
不適切です。
「利己的な動機は含まれない」という部分が間違いです。
「向社会的行動(こうしゃかいてきこうどう)」とは、
誰かを助けたり、物を分け与えたりする「他者のためになる行動全般」を指します。
その動機が「純粋に相手を助けたい(愛他的・利タ的)」であっても、
「先生に褒められたいから」「お菓子がもらえるかもしれないから(利己的)」であっても、
行動の結果として他者の利益になっていれば、すべて向社会的行動に含まれます。
社会的発達のキーワードは、以下の正しい組み合わせでインプットしておきましょう!
遊びの発達(パーテン):役割分担と共通目的があるのは、最も高度な「協同遊び」
愛着の心の枠組み(ボウルビィ):他者を信頼するシミュレーションは「内的ワーキングモデル」
陰湿な攻撃:仲間外れや無視は「関係性攻撃」
幼児期の自信満々:まだ人と比べる「社会的比較」ができないから!
向社会的行動:動機が「純粋な優しさ」でも「ご褒美目当て(利己的)」でもどちらも含まれる!
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03
子どもの社会的発達に関する問題では、遊びの社会的発達段階(パーテン)やアタッチメント理論(ボウルビィ)、行動の動機づけの正確な定義区分が問われます。
これは協同(共同)遊びです。
「役割分担をして同じ目的に向かう」のは、バラバラに遊ぶ連合遊びのさらに上のステップです。
正解は内部作業モデル(IWM)です。
「一生の対人関係を左右する頭の中のシミュレーションの土台」です。
具体的には、「人は裏切るか」「私は愛される価値があるか」と、頭の中で考えるモデルです。
①「世界は安全だし、人は優しい」というモデル
乳幼児期にたくさんの愛情を受けて育った子どもの頭の中にできるモデルです。
たとえば大人になって仕事で大きなミスをしてしまっても、「先輩に正直に話して謝れば許してくれるはず(=他者への信頼)。次はできるはず(=自分への信頼)」と、頭で自動的に考えます。
②「人はあてにならないし、世界は敵だらけ」というモデル
虐待やネグレクトなど、過酷な環境で育った子どもの考え方です。
同じように仕事でミスをしたとき、「正直に伝えたら見捨てられる(=他者への恐怖)。自分はだめな人間なんだ(=自分への不信)」と脳が自動でシミュレーションします。
一度作られたモデルは、頭で24時間考え続けて(Working)、その人の人間関係に影響をもたらします。
なので内部作業モデル(IWM)と呼びます。
正しくは関係性攻撃です。
仲間外れやうわさ話など、集団の心理的なつながり(関係性)を人質にとって傷つける、一番陰湿な攻撃の呼び名です。
子どもが「自分は世界一強い!」と無敵のポジティブさでいられるのは、まわりの子と自分を客観的に比べる能力(社会的比較)がまだ育っていないから、という心理学の事実に一致しています。
下心(利己的な動機)があっても含まれます。
相手に良く見られたい、ご褒美がほしいなどの動機であっても、結果的に相手を助けていれば、すべて「向社会的行動」の仲間に入ります。
幼児期が「自分は無敵!」と信じている理由=周りと比べる能力(社会的比較)がまだないから
役割分担してルールのある鬼ごっこ=協同遊び
ボウルビィの対人関係の脳内モデル=内部作業モデル(IWM)
うわさ話や仲間外れ=関係性攻撃
向社会的行動=「褒められたい心」も含む
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