保育士 過去問
令和7年(2025年)後期
問93 (保育の心理学 問13)

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問題

保育士試験 令和7年(2025年)後期 問93(保育の心理学 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、子育て家庭の現状と課題に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

A  「令和3年社会生活基本調査」(総務省)によると、6歳未満の子どもをもつ世帯においては、過去20年間の夫の家事時間および育児時間は減少傾向にある。
B  「男女共同参画社会に関する世論調査(令和4年11月調査)」(内閣府)によれば、「女性が職業をもつことに対する意識」として、男女問わず全世代において、「こどもができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業をもつ方がよい」を選択した割合が最も大きかった。
C  「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」(2023年8月国立社会保障・人口問題研究所)によれば、理想の数の子どもをもたない理由として、最も大きいのは経済的問題である。
D  家庭役割と仕事役割との間で、一方の役割における状況や経験が、他方の役割における状況や経験に影響を及ぼすことを、エンハンシング効果という。
  • A:○  B:○  C:○  D:×
  • A:○  B:○  C:×  D:○
  • A:×  B:○  C:×  D:○
  • A:×  B:×  C:○  D:○
  • A:×  B:×  C:○  D:×

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この過去問の解説 (3件)

01

子育て家庭の現状と課題についての問題です。

選択肢5. A:×  B:×  C:○  D:×

A:× 6歳未満の子どもをもつ世帯の夫は、5年前に比べて家事時間が13分増加し、育児時間は16分増加しています。

 

B:× 子どもができても、「ずっと職業を続ける方がよい」が59.5%で最も多く、「こどもができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業をもつ方がよい」は次に多く、27.1%になっています。

 

C:○ 「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」という経済的問題が、最も多く選択されています。

 

D:× 家庭役割と仕事役割との間で、一方の役割における状況や経験が、他方の役割における状況や経験に影響を及ぼすことを、ワークファミリーエンリッチメントと言います。*エンハンシング効果とは:ほめられるという外発的な動きによって、内面が変化し、自発的なやる気を引き出します。

 

 

以上のことからこの選択肢は正答です。

まとめ

家庭環境を理解しておくことで、子どもを取り巻く背景の理解につながります。

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02

この問題で絶対に押さえておくべきポイントは、

「現代の働き方と子育てのリアルな潮流」です。

かつて日本では「夫は外で働き、

妻は家庭を守る」あるいは「出産したら一度退職し、落ち着いたらパートで復帰する」という考え方が主流でしたが、

現在は共働きが当たり前となり、父親の育児参加も(まだ十分とは言えないまでも)データ上は確実に増加傾向にあります。

一方で、理想の子どもを持てない最大の壁が「お金(経済的理由)」であるというシビアな現実は、

長年変わっていません。こうした「社会の変化」と「変わらない課題」の対比を意識しながら、

選択肢を見ていきましょう。

選択肢5. A:×  B:×  C:○  D:×

A:×

「減少傾向」という部分が間違いです。

共働き世帯の増加や、ワークライフバランス施策の推進などにより、6歳未満の子どもをもつ夫の家事・育児時間は、

過去20年間で「増加傾向」にあります。

※依然として妻の負担割合が圧倒的に高いという課題は残っています。

 

B:×

「子どもができたらやめて、大きくなったら再就職する」という考え方は、

かつてのM字カーブ(女性の年齢別就業率のグラフ)を象徴するものでしたが、

現在は大きく変化しています。令和4年の調査では、男女ともに全世代で「子どもができても、

ずっと職業を続ける方がよい」を選択した割合が最も高くなっています。

 

C:○

「理想の子ども数を持たない理由」の圧倒的トップは、

長年にわたり「子育てや教育にお金がかかりすぎるから(経済的問題)」です。

低所得者支援の現場でも、この子育てにかかる経済的プレッシャーは非常に重い課題として直面します。

 

D:×

心理学・社会学の用語がすり替えられています!

仕事の疲れが家庭でのイライラに繋がったり、

逆に家庭での充実感が仕事のモチベーションを高めたりと、

仕事と家庭の間で影響が漏れ出す(波及する)現象は「スピルオーバー効果」と呼ばれます。

※「エンハンシング効果」とは、心理学において「他者からの賞賛や報酬によって、

内発的なやる気(モチベーション)が高まること」を指す言葉です。

まとめ

子育てと労働環境に関するデータ・用語は、

以下のポイントで現代のトレンドにアップデートしておきましょう!

夫の家事・育児時間:まだまだ少ないが、過去20年で見れば「増加傾向」!

女性の就業意識:再就職ではなく、「ずっと働き続ける」が現在のトップ!

子どもを持てない理由:いつの時代も、最大の壁は「お金(経済的理由)」!

仕事と家庭の波及効果:水が溢れ出すように影響し合うのは「スピルオーバー効果」!

社会の仕組みや人々の意識が、ここ数十年でいかに「共働き・共育て」の方向へシフトしているかがよくわかる統計問題でした。

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03

本問では、最新の社会調査データと、心理学用語の定義範囲を厳密に見極める力が問われます。

選択肢5. A:×  B:×  C:○  D:×

A  「令和3年社会生活基本調査」(総務省)によると、6歳未満の子どもをもつ世帯においては、過去20年間の夫の家事時間および育児時間は減少傾向にある。

夫の家事・育児時間は増加傾向にあります。

育休制度の義務化や「イクメン」という言葉の定着が背景にあります。

ただし、妻側の負担の解消には至っていません。


B  「男女共同参画社会に関する世論調査(令和4年11月調査)」(内閣府)によれば、「女性が職業をもつことに対する意識」として、男女問わず全世代において、「こどもができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業をもつ方がよい」を選択した割合が最も大きかった。
「子どもができても、職業を続ける方がよい(継続就業)」が最多です。
共働きでないと家計が維持できないからです。

 

C  「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」(2023年8月国立社会保障・人口問題研究所)によれば、理想の数の子どもをもたない理由として、最も大きいのは経済的問題である。
教育費など、1人の子どもにかけなければならないコストが跳ね上がっています。

「お金がないなら、次の子どもを産むのはやめておこう」という判断です。

 

D  家庭役割と仕事役割との間で、一方の役割における状況や経験が、他方の役割における状況や経験に影響を及ぼすことを、エンハンシング効果という。

状況や経験が他方に影響を及ぼすことを「スピルオーバー効果」といいます。

 

「スピルオーバー効果」は総称で、2つに分かれます。

エンハンシング効果:一方の役割で得たエネルギーやスキルが、もう一方の役割にも「良い影響」としてあふれ出る現象

例:

・職場で傾聴について学んだら、家でも子どもの話を焦らずに聴けるようになった。

・子育てを通して忍耐力やマルチタスク能力が身につき、職場のタスク管理が劇的に上手くなった。

 

コンフリクト効果:一方の役割のせいで、もう一方の役割が圧迫されたりストレスが染み出したりして「悪い影響」が出る現象

例:

・職場で理不尽に怒られてイライラした気分のまま帰宅し、家で子どもについキツく言ってしまった

・子どもが夜泣きして一睡もできなかったため、翌日の職場で集中力が途切れてしまった

 

良い影響(エンハンシング)だけを人間が都合よくコントロールできるわけではなく、イライラも充実感も両方漏れ出てしまうからこそ、総称である「スピルオーバー効果」が正解になります。

まとめ

日本のパパの家事・育児時間→増加傾向。

女性の仕事と出産の意識→ずっと続ける方がよいが最多(共働き必須)。

理想の子どもの数をあきらめる最大の壁→経済的問題(主に教育費)。

状況や経験が他方に影響を及ぼすこと=スピルオーバー効果。

 

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