保育士 過去問
令和7年(2025年)後期
問95 (保育の心理学 問15)

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問題

保育士試験 令和7年(2025年)後期 問95(保育の心理学 問15) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、子どもの貧困に関する記述である。(a)~(d)の下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

最低限必要とされる食料と食料以外のものが購入できるだけの所得または支出水準に達していない、人間として最低限の生存を維持することが困難な状態を、(a)相対的貧困という。「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省)によると、子ども(17歳以下)がいる現役世帯(世帯主が18歳以上65歳未満の世帯)のうち、(b)大人が1人の世帯の貧困率は3割に満たない。困窮度が高まることによって、親は生活に余裕がなくなり、子どもと向き合ったり触れ合ったりする機会の減少を招きやすい。その結果、(c)子どもの心身の健康状態の悪化につながるリスクが高まる。また、子どもの頃の貧困が大人になっても解消されず、次の世代の子どもも継続して貧困状態におかれることもある。これを、(d)「貧困の世代的再生産(世代間連鎖)」という。
  • a:○  b:○  c:×  d:○
  • a:○  b:×  c:○  d:×
  • a:×  b:○  c:○  d:×
  • a:×  b:○  c:×  d:○
  • a:×  b:×  c:○  d:○

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この過去問の解説 (3件)

01

子どもの貧困についての問題です。親の貧困が子どもの貧困に直接つながるケースが多いです。

選択肢5. a:×  b:×  c:○  d:○

a:× 絶対的貧困のことです。*相対的貧困とは:国や地域の水準で比較した時に、大半より貧しい状態のことです。

 

b:× 貧困率は44.5%になっています。

 

c:○ 食生活の乱れから、栄養不足が見られたり、学力低下など、身体的や精神的にも影響が見られます。

 

d:○ 家庭や親の貧困によって、生活が安定せず、子どもの低学歴につながるなど、子ども自身も将来への展望ができないケースもあります。親世代の貧困が子ども世代の貧困につながっています。

 

 

以上のことからこの選択肢は正答です。

まとめ

保育士は、子どもや保護者の異変にいち早く気づける環境にいます。子どもの生活全体を見守りながら、必要な支援へつなげていきます。

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02

この問題で絶対に押さえておくべきポイントは、

「貧困の2つの定義(絶対的と相対的)」と「ひとり親世帯の厳しい現実」です。

日本のように経済が発展した国における子どもの貧困は、餓死するような状態(絶対的貧困)ではなく、

周りの子と同じように習い事ができない、

進学を諦めざるを得ないといった「その社会の平均的な水準から取り残された状態(相対的貧困)」が中心となります。

また、大人が1人の世帯(ひとり親世帯)の相対的貧困率は国際的に見ても非常に高く、

およそ半数に近い世帯が困窮状態にあるというシビアな実態を念頭に置いて選択肢を見ていきましょう。

選択肢5. a:×  b:×  c:○  d:○

a:×

言葉の定義がすり替えられています!

絶対的貧困:記述の通り、「最低限の生存を維持することが困難な状態(今日の食べ物がない、雨風をしのぐ家がないなど)」を指します。

相対的貧困:その国の平均的な生活水準と比較して貧しい状態のことです。

具体的には、「等価可処分所得(世帯の所得を世帯人員の平方根で割った値)の中央値の半分」を下回っている状態を指します。

日本の子どもの貧困を語る際はこちらが使われます。

 

b:×

統計データの数字が実態と大きくかけ離れています。

2022年の調査において、「大人が1人の世帯(主にひとり親世帯)」の相対的貧困率は44.5%です。

「3割に満たない」どころか、実際には約半数の世帯が貧困状態にあるという、極めて深刻な現状を押さえておく必要があります。

 

c:○

経済的困窮は、親の長時間労働(ダブルワークなど)や強い精神的ストレスを引き起こします。

それが結果として、子どもへの関わりの減少、不適切な養育(マルトリートメント)、

栄養状態の悪化などを招き、子どもの健やかな成長を脅かす大きな要因となります。

 

d:○

貧困により十分な学習機会や多様な経験が得られず、進学を断念して不安定な雇用に就くことで、

その子どもが親になった時にまた貧困状態に陥ってしまう悪循環です。

「貧困の世代間連鎖を断ち切ること」は、現在の子ども家庭福祉政策における最大のミッションとなっています。

まとめ

子どもの貧困に関する重要キーワードとデータは、以下の3点で整理しましょう!

貧困の定義:命の危機は「絶対的貧困」!社会の平均より下回るのが「相対的貧困」!

ひとり親世帯の実態:「大人が1人の世帯」の相対的貧困率は「約半数(44.5%)」と非常に高い!

負のループ:親から子へ貧困が引き継がれてしまうことを「貧困の世代間連鎖」と呼ぶ!

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03

貧困概念の厳密な定義と、ひとり親世帯が置かれた過酷な統計データの把握が問われる問題です。

選択肢5. a:×  b:×  c:○  d:○

最低限必要とされる食料と食料以外のものが購入できるだけの所得または支出水準に達していない、人間として最低限の生存を維持することが困難な状態を、(a)絶対的貧困という。「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省)によると、子ども(17歳以下)がいる現役世帯(世帯主が18歳以上65歳未満の世帯)のうち、(b)44.5%である。困窮度が高まることによって、親は生活に余裕がなくなり、子どもと向き合ったり触れ合ったりする機会の減少を招きやすい。その結果、(c)子どもの心身の健康状態の悪化につながるリスクが高まる(〇)。また、子どもの頃の貧困が大人になっても解消されず、次の世代の子どもも継続して貧困状態におかれることもある。これを、(d)「貧困の世代的再生産(世代間連鎖)」(〇)という。

 

絶対的貧困と相対的貧困

人間として最低限の生活を生きることさえ困難な状態は、相対的貧困ではなく、「絶対的貧困」と使われます。

子どもの貧困をいう場合には、おもに「相対的貧困」が使われます。

所得が「真ん中の人の半分」に満たない家庭では、毎日の家計をまわすだけで限界です。

「文房具を揃えられない」「塾や習い事に行かせてあげられない」「家で十分に勉強する環境を整えられない」。

こうなると、子ども本人のせいではないのに、生まれた環境のせいで格差が起きます。

 

また、子どもにとって、「みんなと同じ」は心の安全です。

「自分だけいつもお古の洋服を着ている」「休み明けに、どこに遊びにいったかの思い出話に加われない」。

こうした環境がつづくと、子どもは劣等感を抱き、そのうち孤立してしまいます。

相対的貧困は単にお金がないことではなく、子どもが社会から孤立してしまうリスクを測っています。

 

ひとり親世帯の貧困率:44.5%

日本の大人1人の現役世帯(特に母子世帯)の困窮度は、先進国の中でも突出して深刻です。

 

子どもの心身の健康状態の悪化につながるリスク

お金がないことは、単に欲しいものが買えないという物理的な問題に留まりません。

栄養バランスの偏った食事、自己肯定感の低下、ストレスによる家庭内環境の悪化など、子どもの心身に関わるリスクです。

 

「貧困の世代的再生産(世代間連鎖)」

本人の努力不足ではありません。

生まれた環境の格差によって、構造的に貧困が連鎖してしまう社会問題のメカニズムです。

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